2007年12月28日金曜日

演歌の牙城「鈴屋」閉店 社長が体調崩し 札幌

「演歌の牙城」として知られた「レコードの鈴屋」(札幌市中央区南二西五)が十一月末に閉店した。貴重な演歌専門店として大物歌手にも一目置かれる存在だっただけに、ファンやメーカーからは再開を期待する声が上がっている。
 「鈴屋」は狸小路商店街に約五十平方メートルの店舗を構えていた。一九五二年に家電販売店として開店、主にレコードを中心に販売していた。
 演歌専門店の形になったのは十年ほど前。五木ひろしさんら本人直筆のサイン入りポスターが壁一面に張られ、ポップスに押されがちな演歌の牙城となってきた。
 中でも名物だったのは店頭歌唱。新人を中心に毎月五-八人が顔を見せ、山本譲二さん、角川博さん、神野美伽さんらも集まったファンの前で歌い上げた。
 今年夏、高齢を理由に前社長の大西由雄さん(86)が退き、店長だった鎌田光法さん(33)が社長を引き継いだ。しかし鎌田さんも体調を崩したことなどから、十一月末に閉店を余儀なくされた。
 演歌のプロモーションを担当するキングレコード札幌営業所の三浦雄一郎さん(35)は「『鈴屋』は、演歌歌手にとってお客さんと直接顔を合わせられる大切な場所だった」と話す。
 歌手のキャンペーンにも影響が出るため事務所からは問い合わせが相次ぎ、演歌ファンも行き場を失っているという。「できることなら、早く再開してほしい。応援したい」と三浦さんは期待をかける。
 鎌田さんは「休養をいただいて、また演歌に携わりたい」と年明け後の店舗再開へ意欲を見せている。

(北海道新聞より引用)

2007年12月22日土曜日

過酷な自転車レース「シクロクロス」 北海高2年・高宮君、世界へ

札幌市豊平区の北海高校二年高宮正嗣君(17)が「シクロクロス」と呼ばれる自転車競技の世界選手権ジュニアの部(十七、十八歳)に出場する。森林の中の悪路や公園の階段など多彩なコースを走る過酷な競技で、道内の高校生が出場するのは初めて。高宮君は来年一月下旬の大会に向け、二十二日から、鹿児島県で強化合宿を行い、大舞台に臨む。
 シクロクロスは自転車競技選手の冬季トレーニングとして発達し、欧州で盛んな競技。自転車をこぐだけでなく、障害物を乗り越えるために、自転車を持ち上げて走ることもある。
 高宮君は昨年四月から、自転車のロードレースやトラック競技の練習を始めた。当初は子どものころから取り組んでいたアイスホッケーのための体力づくりが目的だったが、自転車の方が楽しくなり、今年一月に札幌の自転車競技チーム「equipe-mistral」(エキ ップ・ミストラル)に加入。四月から本格的にシクロクロスを始めた。
 チームの大山智監督(49)が「競技歴が短いのに、素晴らしい身体能力とバランス感覚を持っている」と評価するように、めきめき実力を付けた。今月九日に大阪府で開かれた「全日本シクロクロス選手権大会」のジュニアの部で十人中二位に入り、世界への切符を手に入れた。
 週一日の休み以外は午前四時に起床。登校前の三時間と放課後の二時間、自宅近くの山道を自転車で走り、スポーツジムで筋力トレーニングに励んでいる。
 「泥道でも、障害があっても、走り続けるのがシクロクロスの格好良さ」と高宮君。合宿は来年一月十五日までで、正月休みを返上し、鹿児島県の鹿屋体育大学で練習に取り組む。
 大会は一月二十六日にイタリア北部のトレビゾで開かれる。「合宿で精神面を鍛え、世界に少しでも近づけるように思い切って走りたい」と闘志を燃やしている。

(北海道新聞より引用)

2007年12月16日日曜日

「国に具体的要求を」 アイヌ文化振興法でシンポ 札幌

国内外の先住民族の研究者らを招いた国際シンポジウム「アイヌ文化振興法の過去・現在・未来」(北大アイヌ・先住民研究センター主催、北海道新聞社など共催)が十五日、札幌市北区の北大構内で二日間の日程で始まった。初日は、施行十年目を迎えたアイヌ文化振興法の課題やハワイの先住民族の権利回復の取り組みについて研究者が講演し、参加者約百人が聞き入った。
 同センターの常本照樹センター長は、アイヌ民族に関する問題が北海道一地域に押し込められ、「国の存在や責任が見えにくくなっている」と問題点を指摘。アイヌ民族自らが、新たに民族独自の将来像を描き、国に対する具体的要求をまとめていく重要性を訴えた。
 ハワイ大先住民法研究センター長のメロディ・マッケンジー氏は、ハワイの先住民が一九八○年代以降、法廷闘争などを通じて土地の所有権を取り戻した経緯などを報告。「ハワイの先住民は、自らの文化的統治権を表現することで、法整備や政治的主権の確保を推進している」と語った。
 十六日は午前十時から、研究者やアイヌ民族の若者らの講演のほか、パネルディスカッションが開かれる。

(北海道新聞より引用)